2024.05.01
害獣コラム
クマネズミのフンを見分ける方法は?危険性・処理方法・対策も解説
家の屋根裏や二階、棚の上などにネズミのフンをされて困っている方は、いらっしゃいませんか?小さなフンがバラバラと落ちている場合、もしかするとクマネズミのフンかもしれません。
クマネズミのフンには、人間にも感染するさまざまな病原体が潜んでいるため、放置しておくのは危険です。
この記事では、クマネズミのフンについて特徴や危険性、対処法、ほかのネズミのフンとの見分け方などを解説します。ネズミのフンにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧になって、参考にしてください。
<目次> |
クマネズミのフンってどんなもの?
日本の住宅や都市部などに生息しているネズミは、主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類です。
クマネズミは日本でよく見かけるネズミの一種のため、フンを目にする機会もあるかもしれません。はじめに、クマネズミのフンの特徴をみていきましょう。
▼日本に生息しているネズミの種類や特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
害獣駆除するには?ネズミの特徴とともに侵入予防・駆除・処理方法を解説
見た目の特徴は?
クマネズミのフンは、大きさ5mm〜1cm程度で、楕円形で細長い形状をしています。色は茶色または灰色で、形は不揃いの場合が多いです。
クマネズミのフンには、ニオイがあるものの、穀物や果物など植物性の食べ物を摂取しているケースが多いため、他のネズミと比べると、ニオイが極端に強いわけではありません。
どんなところにフンをする?
クマネズミは高い場所を好む習性をもち、二階や屋根裏、天井裏、棚の上、換気扇周辺などの場所でフンが見つかるケースが多いです。移動しながらフンをするため、あちこちにバラバラに散らばっている場合が多いのも特徴です。
高いところに細長いフンが散らばっているのを見つけたら、クマネズミのフンである可能性が高いといえるでしょう。
クマネズミのフンにはどんな危険がある?
クマネズミのフンには、以下の病気を引き起こす病原体が潜んでいる恐れがあります。
サルモネラ | 下痢や嘔吐、急性胃腸炎などを引き起こす。 |
レプトスピラ | せき、鼻づまり、発熱や悪寒、頭痛など、風邪のような症状から黄疸、出血、腎機能障害などを起こすほか、妊婦の場合は流産を引き起こす可能性もある。犬などでは死亡例もある。 |
ハンタウイルス | 発熱や頭痛、悪寒など、風邪のような症状から脱力、めまい、出血などを引き起こす。ほかに、腎症候性出血熱とハンタウイルス肺症候群などという2つの疾患を起こす場合があり、いずれも重症化すると死亡する可能性がある。ハンタウイルス肺症候群については、日本では1980年代以降発生していないものの、海外では発症例があるため注意が必要。 |
クマネズミのフンが引き起こす感染症のなかには、ハンタウイルス肺症候群のように、治療法が確立されていない病気もあります。そのため、ネズミのフンだからと決して甘くみてはいけません。
特に小さな子どもやペットのいる家庭では、不用意に触れないよう注意する必要があります。
クマネズミと種類が異なるネズミのフンを見分ける方法は?
クマネズミのフンは、見た目がほかのネズミのフンとよく似ていて、見分けがつきにくい場合があります。
こちらではクマネズミのフンと間違えやすい、ほかのネズミのフンの特徴や見分け方を紹介します。
ハツカネズミのフンと見分ける方法
ハツカネズミのフンは、大きさが約4〜7mmとクマネズミより少し小さく、米粒ほどの大きさをしています。色は茶色で、形が細長いのはクマネズミのフンと似ていますが、両端が尖っているのが特徴です。
ハツカネズミは、物置や倉庫、納屋など、人気が少なく暗い場所を好む習性があります。倉庫のような人気のないところにフンが散らばっているケースは、ハツカネズミの可能性が高いといえるでしょう。また、ハツカネズミは尿のニオイがきつく、フンからも尿の独特な悪臭を発する場合があります。
ドブネズミのフンと見分ける方法
ドブネズミのフンは、大きさが約1cm〜2cmほどと、クマネズミよりひと回りほど大きなサイズで、色は焦げ茶色または灰色です。クマネズミのフンよりも、太く、整った楕円形をしており、比較的まとまって落ちている場合が多いです。
ドブネズミは泳ぎが得意なため、下水や排水溝から侵入します。トイレやキッチン、浴室、排水管周りなどでフンが見つかった場合はドブネズミの可能性が高いでしょう。
また、ドブネズミは肉食のためフンのニオイが強く、悪臭が発生してフンを発見するケースもあります。
クマネズミのフンを処理する方法
家の中でクマネズミのフンが見つかった場合の処理方法・注意点を解説します。
クマネズミのフンには、さまざまな病原体が潜んでいる可能性があるため、処理する際は以下の道具を準備しましょう。
- ほうき
- ちりとり
- 雑巾
- ゴミ袋
- マスク
- 手袋
- 汚れてもいい衣服
- 消毒用エタノール
クマネズミのフンを処理する際の手順は、以下の通りです。
- 汚れてもいい服に着替えて、マスクや手袋などの保護具を装着する
- はじめにクマネズミのフンがある場所に消毒用エタノールを吹きかけ、乾燥したフンの粉塵が舞うのを防止する
- ほうき・ちりとりでフンを集める(※掃除機は粉塵を巻き上げるリスクが高いため使用しない)
- 集めたフンをゴミ袋に入れて捨てる
- フンがあった場所に消毒用エタノールをかけて雑巾で拭き掃除を行う
害獣の糞を掃除する前に、写真を撮影しておくことをおすすめします。これは、害獣駆除の専門業者に依頼する際に、写真を提供することで対応がスムーズになるためです。
クマネズミのフンを見つけた場合は?
自宅でクマネズミのフンを見つけた場合は、被害を防ぐため対策を行うのが重要です。ここでは、クマネズミのフンを見つけた際にとるべき対策を2つ紹介します。
クマネズミのフンを発見した方は、ぜひ参考にしてください。
シーリング材や金網で侵入路を塞ぐ
クマネズミのフンを見つけた場合は、家の中に入れないよう、侵入経路を塞がなければなりません。クマネズミは、換気扇や排水パイプ、建物の隙間や割れ目、エアコンパイプなど、少しのスペースからも内部に侵入してきます。
侵入経路になりそうな場所を発見した場合は、シーリング剤や金網などを使って塞ぎ、侵入を防止する対策をとりましょう。クマネズミの通り道となりそうな場所に、ホームセンターなどで売られている忌避剤を使うのも有効です。
グッズを使用して駆除する
クマネズミの侵入予防と駆除を同時に行うことで、より確実にフンの被害を防止できます。日本では鳥獣保護管理法という法律により、通常、野生動物を勝手に捕獲することを禁止されています。しかし、クマネズミはこの法律の適用外とされており、自治体の許可がなくても駆除が可能です。
ホームセンターでは、粘着シート、ネズミ捕り、殺鼠剤、毒餌など、さまざまなネズミ用の駆除グッズが販売されています。クマネズミのフンにお悩みの方は、活用するとよいでしょう。
ただし、クマネズミは警戒心が強く、罠を使用しても駆除できない可能性があります。
家でクマネズミのフンを見つけたら早めに駆除や対策をしましょう
クマネズミは家の高い場所へ散らばったフンをするのが特徴です。クマネズミのフンには、さまざまな病原体が棲んでおり、人体にとっても害をもたらす可能性があります。
放置すると、さまざまな害を引き起こす危険があるため、見つけた場合は早めの対策が必要です。ただし、クマネズミを一般の方が自力で駆除するのは大変な手間がかかります。
クマネズミのフンによる被害に悩んでいる方は、無理をせずに専門の害獣駆除業者へ依頼するのもおすすめです。
ハウスサポートでは、無料で害獣駆除のお見積りを行なっており、以下のフォームから24時間365日お問い合わせが可能です。関西エリア・三重県・愛知県でクマネズミのフンにお悩みの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
監修者プロフィール
島津春香
2018年酪農学園大学獣医学群卒。
卒業後は獣医師として約5年従事し、2023年3月にフリーライターへ転向。
当サイトでは害獣に関するお役立ち情報の執筆を担当。