2024.05.29
害獣コラム
ハツカネズミの寿命は?20日以上生きられるの?生態について解説
ハツカネズミは、その名前から20日しか生きられないと思われている方もいるかもしれません。しかし、実際の寿命は20日よりも長く、さらに成長が早く、繁殖能力も高いため、一度住居に棲みつかれると駆除するのは簡単ではありません。
本記事では、ハツカネズミの寿命や繁殖時期などの生態、家に棲みついた場合にもたらす被害、駆除方法などを解説します。ハツカネズミの被害にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
▼日本に生息しているネズミの種類や特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
害獣駆除するには?ネズミの特徴とともに侵入予防・駆除・処理方法を解説
<目次> |
ハツカネズミの寿命と生態
ハツカネズミは、寿命が20日しかないため「ハツカ」ネズミという名前なのだと思われている方もいるようですが、実際にはもっと長く生きます。
ここでは、ハツカネズミの寿命や名前の由来、繁殖時期や棲みつきやすい場所などの生態について解説します。
寿命はどれくらい?
ハツカネズミの寿命は、約1年から1.5年で、長くても生きられても2年程度が限界です。
ハツカネズミの寿命は害獣としては短い部類に入ります。しかし、成長が早くて繁殖力も高いため、一度増えてしまうと駆除するのは容易ではありません。寿命によって自然にいなくなる可能性もほとんどないでしょう。
特に、人家に棲みついているネズミは、食料を確保しやすく天敵にも会いにくいため、長く生きる傾向があります。
なぜハツカネズミと呼ばれているの?
1年以上生きられて、寿命が20日以上あるのに、なぜ名前はハツカネズミとなっているのでしょうか。名前の由来としては、妊娠期間が約20日だからというのが有力な説です。
ハツカネズミの子どもは、受精後約20日で誕生します。一般的に家ネズミの妊娠期間は3週間ほどとされており、ドブネズミやクマネズミなど、ほかのネズミとそれほど変わりません。
また、体のサイズが小さく生後20日程度に見えるためハツカネズミと呼ばれるようになった、との説もあるものの、いずれが正しいかははっきりしていません。
繁殖の時期は?
野生のハツカネズミの繁殖時期は春(3〜5月頃)と秋(9〜11月頃)の2回です。住居に棲みついている個体は年中繁殖する傾向にありますが、冬季には繁殖力が低下します。
ハツカネズミは、オスが生後約60日、メスは生後約55日から繁殖が可能です。平均で生涯に8回ほど出産し、1回の出産で生まれてくる子どもの数は5〜6匹ほどのため、繁殖力はかなり高いといえるでしょう。
この高い繁殖能力が、ハツカネズミに一度棲みつかれると駆除するのが難しい理由の1つでもあります。
住居で見かけやすい時期は?
ハツカネズミを住居で見かけやすくなる時期は、10月〜3月の秋から冬にかけてです。特に、1〜2月の真冬の時期がピークになります。
ハツカネズミは、通常、草地や田畑など野外に穴を掘って生息しているネズミです。しかし、寒さに弱く冬眠しないため、冬になると暖かい場所や食料を求めて屋内に侵入しやすくなります。
また、秋が出産時期のため、冬に子どもと一緒に家の中で大量に発見されるケースもあります。
屋内でハツカネズミが棲みつきやすい場所は?
ハツカネズミは、納屋や倉庫、床下など、人の気配がなく湿気の多い場所へ好んで巣を作ります。巣作りにはダンボールや新聞紙などを利用し、ドブネズミやクマネズミなど、ほかのネズミが入らないような狭い場所や荷物の下、積み藁の中などにも棲みつくのが特徴です。
外に巣をつくるケースもあるものの、人家に棲むネズミの場合、特に冬季は屋内で巣作りするケースが多いでしょう。ハツカネズミに棲みつかれないようにするには、餌となる食品やペットフード、巣に使う新聞紙やダンボールなどを不用意に放置しないのが大切です。
ハツカネズミを放置するとどんな問題が起きる?
ハツカネズミの寿命は長くはないものの、いつか寿命が来るだろうと放置してはいけません。そのままにしておくと食べ物を荒らされたり、住居を破壊されたり、病気になったり、さまざまな被害をもたらす恐れがあります。
ハツカネズミが家に棲みついて起きる主な被害は、以下の通りです。
- 経済的な被害
- 健康への被害
それぞれの詳細と危険性について解説します。
経済的な被害
人間の食べ物はほとんどがハツカネズミにとってもエサになるため、棲みつかれると台所などの食料を荒らされてしまいます。
また、家具や日用品、柱など家屋の一部を齧られたり、フンや尿をされたりして、家財道具や住居の経済的な価値が下がる可能性
もあるでしょう。ほかにも、電線を齧られると火災や停電が起きる恐れもあり、注意が必要です。
健康への被害
ハツカネズミは、さまざまな細菌やウイルス、寄生虫などを保有している可能性があります。そのため、放置していると感染症を引き起こす恐れがあり危険
です。
サルモネラ症、レプトスピラ症、ハンタウイルス症候群、縮小条虫やイエダニといった寄生虫など、さまざまな健康被害をもたらします。
また、ハツカネズミは身体が小さい分、足音や鳴き声は小さいものの、活動時には騒音を出すためストレスになる可能性もあるでしょう。
ハツカネズミはどのように駆除すればいい?
ハツカネズミを寿命まで放置しておくのは危険なため、家に侵入された場合は、すみやかに駆除を行う必要があります。
日本には鳥獣保護管理法があり、野生動物は法律で保護されています。そのため、自治体の許可なく鳥獣を捕獲することは認められていません。ただ、ハツカネズミなど一部のネズミは法律の保護から除外されており、誰でも駆除が可能です。
ハツカネズミの駆除には、侵入経路を塞ぐ方法と駆除グッズなどを使用する方法の2種類があります。
侵入経路を塞ぐ
ハツカネズミを駆除する前に、まずは、屋外から住居内に侵入してくるルートを塞ぐ必要があります。いくら駆除をしても、新たにハツカネズミが侵入してきたのでは意味がありません。
特にハツカネズミは体が小柄なため、小さな隙間などからでも家の中に侵入が可能です。扉やシャッターの隙間、通風口、屋根の隙間など、少しでも隙間が空いていれば進入経路になり得る可能性があります。
ハツカネズミが入れそうな場所を見つけたら、シーリング材を使用したり、金網などの齧っても壊せない金属を使ったりして穴を塞ぎましょう。
駆除グッズを使用する
ハツカネズミの侵入を防止するとともに、駆除グッズを使えば、すでに棲みついている個体にも効果的です。ホームセンターへ行くと、粘着トラップやネズミ捕り、殺鼠剤、毒餌など、さまざまなネズミ用の駆除グッズが売られています。
駆除グッズは、「ラットサイン」と呼ばれるハツカネズミの痕跡(フンや足跡など)が残る場所に重点的に仕掛けるとよいでしょう。ただし、殺鼠剤などを使用する際は、子どもやペットの手が届く範囲に置かないように注意してください。
▼ネズミの駆除方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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ハツカネズミの寿命は20日ではない!見つけたら対策をしましょう
ハツカネズミの寿命は、名前にある「20日」ではなく1年~1.5年です。住居に棲みつかれると冬でも活動は鈍らず、成長が早くて繁殖力も高いため、放置しておくと危険です。
家の中にハツカネズミが出る場合は、被害を防ぐため、すみやかに駆除する必要があります。とはいえ、一般の方が駆除するのは手間がかかり難しいでしょう。
ハツカネズミの被害に悩んでいる方は、害獣駆除の専門業者に依頼するのがおすすめです。ハウスサポートでは、無料で害獣駆除のお見積り・相談を行なっています。以下のリンクから24時間365日お問い合わせが可能です。関西・三重県・愛知県でハツカネズミの被害にお悩みの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
監修者プロフィール
島津春香
2018年酪農学園大学獣医学群卒。
卒業後は獣医師として約5年従事し、2023年3月にフリーライターへ転向。
当サイトでは害獣に関するお役立ち情報の執筆を担当。