2023.09.22
害獣コラム
家屋に被害をもたらすイタチとは?日本にいるイタチを種類ごとに解説!
イタチという動物を知っている方は多いのではないでしょうか。そのなかには、実際にイタチを見かけたことがある方や被害に悩まれている方もいるかもしれません。
しかし、日本に生息しているイタチは8種類であり、主に民家へ被害をもたらすイタチは2種類ということを知っている方は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、日本に生息しているイタチについてそれぞれ詳しく解説します。民家に被害をもたらすイタチの特徴についても紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
日本に生息しているイタチにはどんな種類がいるの?
ネコ目イタチ科イタチ属である動物をイタチといいます。
現在、日本に生息しているイタチは下記の通りです。
- ニホンイタチ
- チョウセンイタチ
- ニホンイイズナ
- キタイイズナ
- エゾオコジョ
- ホンドオコジョ
- アメリカミンク
なお、ニホンイタチには生息地域が異なるコイタチという亜種が存在します。亜種を含めると、日本に生息しているイタチは8種類です。
さまざまな種類がいるものの、主に民家で見かける種類はニホンイタチとチョウセンイタチのみです。そのため、イタチによる被害の原因は、どちらかの種類である可能性が高いでしょう。
イタチの侵入予防や駆除方法について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
イタチの特徴とは?日本に生息する種類ごとに解説
実際に被害をもたらしているニホンイタチやチョウセンイタチとは、どのようなイタチなのか知っている方は少ないのではないでしょうか。
そこで、日本に生息しているイタチの特徴についてそれぞれ詳しく紹介します。
ニホンイタチ
日本でよく見かけるニホンイタチについて紹介します。
毛色 | 全身山吹色・額中央部から鼻鏡部に欠けて濃褐色の斑紋 |
胴頭長 | オス:27~37cm、メス:19~25cm |
体重 | オス:約470g、メス:約170g |
食性 | ネズミ・カエル・小鳥類・魚・ザリガニ・爬虫両生類 |
生息環境 | 平地・山地の水辺 |
ニホンイタチは本州・九州・四国等に自然分布していた個体ですが、北海道・南西諸島・伊豆諸島などへネズミ駆除のために導入されました。その結果、北海道在来のオコジョが低地から排除され、さらにエゾクロテンの個体数が減少するなど生態系へ影響を与えています。
ただし、屋久島と種子島に生息しているニホンイタチに似た動物は外来種ではなく自然分布している個体です。ニホンイタチの亜種であり、コイタチといいます。
チョウセンイタチ(シベリアイタチ)
日本の家屋内で被害をもたらすといわれている、チョウセンイタチについて紹介します。
毛色 | 冬は黄色がかった明るい褐色、夏はやや暗い色 |
胴頭長 | オス:約28~38cm、メス:約25cm~31cm |
体重 | オス:約700g メス:約300g |
食性 | ネズミ・鳥類・ザリガニ・サワガニ・魚・農作物・パン・菓子 |
生息環境 | 農村・住宅地・ビル街 |
そもそもチョウセンイタチは毛皮業者が養殖していた個体が逃げ出したため、分布が拡大しました。現在は、本州中部以西・四国・九州に広く定着しています。ただし、長崎県対馬では自然分布しています。
ニホンイタチと似ていますがチョウセンイタチの方が体が大きく、目の周辺に濃褐色の斑紋があり、尾の割合が高いのが特徴です。
ニホンイイズナ
日本最小のイタチ科といわれるニホンイイズナについて紹介します。
毛色 | 北海道では冬に真っ白に毛が生え代わるが、本州産は背中に茶色のまだら模様が残る個体が多い |
胴頭長 | オス:約16cm、メス:約14cm |
体重 | 約38~65g |
食性 | 小鳥・小型哺乳類・爬虫類・両生類・昆虫 |
生息環境 | 平地・山林・農耕地・海浜草原 |
主に北海道・青森県・山形県・岩手県に生息しています。体は小さいですが攻撃的で、自分よりも大きな獲物でも狙います。
キタイイズナ
主に北海道に生息しているキタイイズナについて紹介します。
毛色 | 夏は背部は茶色、腹部は白色、冬は全身白い |
胴頭長 | オス:約17cm、メス:約15cm |
体重 | 約40~50g |
食性 | 野ネズミ・トガリネズミ・鳥類・昆虫・木の実 |
生息環境 | 生息環境:平地の海岸沿いの原野・牧場・山地 |
ニホンイイズナに似ていますが、染色体の数や構造が異なる別の種類です。
エゾオコジョ
北海道固有のイタチであるエゾオコジョについて紹介します。
毛色 | 夏は背面は茶色で腹面は白色・冬は尾の先に黒い部分を残して全身真っ白 |
胴頭長 | オス:24cm、メス:22cm |
体重 | 約200g |
食性 | 野ネズミ・ナキウサギ・鳥類・鳥類の卵・昆虫 |
生息環境 | 北海道の平地・山地・高山・森林内 |
エゾオコジョは外来種であるニホンイタチに追われて減少しました。そのうえ、アメリカミンクの侵入によって、さらに個体数が減少しています。
ホンドオコジョ
エゾオコジョに似た外見のホンドオコジョですが、2種間では異なる部分もあります。ホンドオコジョの詳細について紹介しますので、気になる方はぜひご覧ください。
毛色 | 夏は背面が茶色で腹面は白色・冬は尾の先端部のみ黒い部分を残して全身真っ白 |
胴頭長 | オス:19cm、メス:16cm |
体重 | オス:約100g、メス:80g |
食性 | 小動物・昆虫 |
生息環境 | 本州中部以北の標高が高い山地の森林・高山帯の岩場 |
エゾオコジョに比べてホンドオコジョはかなり小型です。肉食性が強く、果実などはほとんど食べません。
アメリカミンク
大型のイタチであるアメリカミンクの詳細について紹介します。
毛色 | 白色・褐色・青灰色・黒色・褐色 |
胴頭長 | オス:約45cm、メス:36cm |
体重 | オス:1kg、メス:700g |
食性 | 小型哺乳類・鳥類・甲殻類・魚類・両生類 |
生息環境 | 海岸部・河川やなどの水辺 |
北アメリカ原産であり、毛皮養殖場から逃げ出したものが北海道で野生化した個体です。生態系への影響が懸念されており、特定外来生物に指定されています。
日本で民家に被害をもたらすのはニホンイタチとチョウセンイタチ!
日本には8種類のイタチがいるものの、主に見かける種類はニホンイタチとチョウセンイタチです。
イタチはいずれの種類も肉食動物であり、攻撃的な性格をしています。もしイタチの被害でお悩みの場合は、怪我などの原因になるのでむやみに近づいたり触れたりしないようにしましょう。
もしイタチの被害でお困りの方は、害獣駆除業者に頼むのがよいかもしれません。
ハウスサポートでは害獣の侵入予防・駆除・アフターサポートまで実施しています。関西・愛知エリア周辺で害獣駆除業者をお探しの方は、お気軽にご相談ください。
執筆者プロフィール
島津春香
2018年酪農学園大学獣医学群卒。
卒業後は獣医師として約5年従事し、2023年3月にフリーライターへ転向。
当サイトでは害獣に関するお役立ち情報の執筆を担当。