2024.04.01
害獣コラム
イタチのフンの特徴は?危険性・処理方法・被害の抑え方を解説
庭先や天井裏などで、野生動物にフンをされて困っている方は、いらっしゃいませんか?小さなフンを何度も同じ場所で見かける場合、イタチのフンかもしれません。
イタチのフンは、放置しておくと悪臭や感染症など、さまざまな被害をもたらす恐れがあるため注意が必要です。
この記事では、イタチのフンの特徴や危険性、対処法などを解説します。野生動物のフンに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧になって、参考にしてください。
<目次>
アライグマのフンとの見分け方 |
イタチのフンってどんなもの?
はじめに、特徴やニオイなど、イタチのフンとはどのようなものかを紹介します。
なお、日本でよく見かけるイタチは、ニホンイタチとチョウセンイタチの2種類です。ただし、フンの特徴に大きな違いはありません。そのため、ここではまとめて、一般的なイタチのフンの特徴について解説します。
▼日本に生息するイタチの種類や特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
家屋に被害をもたらすイタチとは?日本にいるイタチを種類ごとに解説!
イタチのフンの見た目の特徴とは?
イタチのフンは黒っぽい色をしており、見た目は細長く、ねじれている場合もあります。
表面は全体的に水分が多く、長さは6mm程度です。フンの大きさには個体差があるものの、オスのイタチのほうがメスよりも大きなフンをするケースが多いです。
フンの中に、餌にしている動物の体毛や植物の種などが混ざっていることもあります。
イタチのフンのニオイは?
イタチのフンはニオイがとても強いのが特徴です。イタチは雑食で植物や虫、小動物などさまざまなものを食べています。なかでも独特なニオイの元になっているのは、タンパク質を体内で分解し、産生されたアンモニアです。
ほかに、イタチには肛門腺から出す分泌液をフンにつけて、自分の縄張りをアピールする習性があります。この分泌液も、イタチのフンがほかの害獣と比べて強烈なニオイを放つ原因です。
イタチがフンをする場所は?
イタチのフンは、庭や玄関先などによく見られるほか、家の中に入り込んで天井裏にフンをする場合もあります。イタチに特徴的なのが、フンをする場所を決めて、同じところで排泄を繰り返す「ためフン」と呼ばれる習性です。
「ためフン」によって、一度トイレにされた場所へフンが溜まっていき、イタチが棲みついた天井裏から山盛りのフンが見つかるケースもあります。
▼イタチの食性や被害を防止する方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
イタチのフンに危険はある?
イタチのフンは、人間にとって害となる恐れがあるため注意が必要です。
イタチのフンは、主に2種類の被害を起こす可能性があります。
- 感染症や害虫による被害
- 住宅への被害
それぞれの被害について、詳しく紹介します。
感染症や害虫による被害
イタチは、感染症の原因になるさまざまな病原体を持っており、フンを介して人間に健康被害をもたらす危険性があります。
特にイタチはサルモネラ菌を保有しているため、手や衣服などに付着したフンが人の口に入った場合、食中毒を引き起こす恐れがあり危険です。直接口に入れていなくても、乾燥したフンが空気中に舞っている可能性があるため、イタチを見かけた際は注意してください。
また、イタチのフンには、ダニやノミといった害虫が付着している場合もあります。人間やペットに付着すると、かゆみやアレルギー症状などを起こす恐れがあります。特にペットや小さな子どもがいるご家庭では注意が必要です。
住宅への被害
イタチのフンは水分量が多いため、放置しておくと、天井にシミを作ったり、建材を腐らせてしまったりする恐れがあります。
特に、ためフンの習性によって同じ場所でフンをし続けるため、いつもトイレにされている場所で深刻な被害が出てしまうケースもあるでしょう。
建物の傷みが悪化すれば、大規模なリフォームが必要になり、金銭面で大きな負担がかかる可能性もあります。
イタチとほかの動物のフンとの見分け方は?
ここでは、イタチとほかの野生動物のフンを見分ける方法を紹介します。
ハクビシンやアライグマなど、イタチに似たフンをする動物の特徴と見分け方をみていきましょう。
ハクビシンのフンとの見分け方
ハクビシンのフンは、イタチのフンよりも少し大きく、長さは5〜15cm程度です。色は黒または茶色で、細長く、丸みを帯びています。
果物や野菜の種やカスなどが混ざっている点は、イタチのフンとよく似た特徴といえるでしょう。ただ、ハクビシンは果物を好んで食べるため、イタチと比べてニオイはそれほどきつくありません。
アライグマのフンとの見分け方
アライグマのフンは、長さが5〜18cm、直径2〜3cmで、イタチのフンに比べると、見た目はかなり大きくなっています。
あまり噛まずに食べるため、果物の種や昆虫の羽、動物の骨などがそのまま混ざっているのも特徴です。食べたものによって個体から液状まで、フンの形状が変化します。ニオイが強いという点では、イタチと同じです。
イタチのフンはどうやって処理すればいい?
庭先や住宅にイタチのフンをされてしまった場合の処理方法や注意点について解説します。
イタチのフンを処理する際には、以下の道具を準備してください。
- マスク
- 手袋
- 箒
- ちりとり
- ゴミ袋
- 保護メガネ
- 雑巾
- 消毒用エタノール
- 防虫スプレー
- 露出が少なく汚れても良い服装
イタチのフンを処理する際の手順は以下の通りです。
- 汚れても良い服装に着替え、マスク、手袋等を装着する。
- 箒とちりとりでフンを集めてゴミ袋に入れ、しっかりと口を閉じる。
- フンのあった場所は綺麗に掃除し、エタノールで消毒する。
- ダニやノミなどがいるかもしれないので、防虫スプレーも使用する。
イタチのフンには病原体や害虫などが潜んでいる危険性があるため、絶対に素手で触ってはいけません。処理する際は必ず、手袋・マスク・保護メガネをつけてください。また、イタチのフンを掃除する際は、取り除くだけでなく消毒まで行いましょう。
イタチのフンによる被害を抑えるには
イタチのフンによる被害を抑えるためには、イタチに侵入されないための対策が重要です。
こちらでは、具体的な対策を2つ紹介します。イタチのフンを掃除したばかりの方は再度侵入されないように、ぜひ参考にしてください。
▼イタチを駆除する方法について、詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
イタチの侵入路を塞ぐ
天井裏などにフンをされている場合は、住宅のどこかにイタチの侵入経路があるはずです。フンを処理しても侵入経路を塞がない限り、何度でもイタチはやってきます。
イタチの侵入経路になるのは、屋根の隙間や通気口、換気扇などです。また、イタチは3cm程度の空間があれば侵入可能です。イタチの入れそうな場所を見つけた場合は、金網などですべて塞ぎましょう。もし建物の一部を壊して侵入している場合は、修理を行ってください。
イタチの駆除グッズを使う
ホームセンターには、ライトや忌避剤のほか、トゲマットや忌避剤、超音波装置など、さまざまなイタチの駆除グッズが販売されています。
ただし、イタチは鳥獣保護管理法により無許可での狩猟や捕獲が制限されている野生動物です。イタチを駆除・捕獲するには自治体の許可が必要なため、勝手に行うと法律違反になる恐れがあります。
ホームセンターでは捕獲器も販売していますが、基本的には使用しないようにしましょう。
▼ホームセンターで入手できる駆除グッズの種類や特徴について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
害獣駆除グッズの種類と効果とは?商品を5つのタイプに分けて解説!
イタチのフンを見かけたら早めに対策を
庭先や天井裏などで、小さくて黒っぽく、動物の体毛や果物の種などが混じったフンを見つけた場合、イタチのフンの可能性があります。
イタチのフンを放置すると、ニオイやためフン、感染症など、さまざまな被害が発生する恐れがあるため、早めの対策が不可欠です。
ご家庭でも可能な対策にはさまざまな種類があるものの、フンによる被害が収まるとは限りません。
イタチのフンによる被害に悩んでいる方は、ご家庭での解決が難しい場合、無理をせず害獣駆除専門業者に依頼してください。
ハウスサポートでは、害獣駆除に関する見積もりを無料で行っています。以下のフォームから24時間365日相談が可能です。イタチの被害にお悩みの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
監修者プロフィール
島津春香
2018年酪農学園大学獣医学群卒。
卒業後は獣医師として約5年従事し、2023年3月にフリーライターへ転向。
当サイトでは害獣に関するお役立ち情報の執筆を担当。