2023.10.30
害獣コラム
獣害の意味とは|人へ影響のある感染症や獣を寄せつけない方法を解説
野生動物による「獣害」をご存知でしょうか?
野生の動物たちは魅力的な存在でもありますが、人間の生活へ害をもたらすことがあります。
この記事では、獣害の具体的な内容とその予防策について詳しく解説します。特に、人々の健康に影響を与える可能性がある感染症について紹介するので、ご興味のある方は最後までお読みください。
獣害の意味とは?
獣害とは文字通り、野生の鳥獣によって引き起こされる被害を指します。獣害には、さまざまな被害がありますが、主に下記の5つが考えられるでしょう。
- 家畜・作物・樹木などへの農業被害
- 感染症などの衛生被害
- 家屋の損傷による経済被害
- 野生動物の攻撃による死傷などの人的被害
- 生態系への被害
今回は獣害のなかで、人へ大きな影響を与える感染症について紹介します。
獣害と感染症|知っておくべき人への影響について
建物への被害や農作物への被害は耳にすることが多いと思います。しかし、獣の被害はそれだけではありません。獣害は、人の健康や美容を害する可能性もあるのです。
そこで今回は、主に日本で発生があり、野生動物から感染する可能性がある感染症を紹介します。野生動物がもたらす影響について理解して対策しましょう。
オウム病
国内でも検出される病気の1つです。主に鳥の糞に含まれる菌から人間は感染します。症状は、インフルエンザのような発熱や倦怠感、関節痛や頭痛などです。
野外のハトも保有している可能性があるので、むやみに近づかないようにしましょう。
エキノコックス症
主にキツネの糞に含まれるエキノコックスの虫卵が感染源です。人には、手に付着した虫卵や食べ物、水などを介して感染するといわれています。
キツネを見かけても触れないようにしましょう。
レプトスピラ症
主に野生のげっ歯類が保有している細菌です。人間は野ネズミの尿に触れることで感染するといわれています。
害獣であるネズミがよく保有しているので、家の中で見かけた際は消毒などを徹底的に行うようにしましょう。
サルモネラ症
さまざまな動物の腸管内に生息し、糞に含まれる原因菌によって人間は感染します。発症すると嘔吐や腹痛、下痢や発熱などの症状が認められます。
動物から直接感染するだけでなく、汚染された食品から感染するケースもあるので、食品は害獣が侵入できない場所へ保管するのがよいでしょう。
日本紅斑熱
主に野生のげっ歯がウイルスを保有していることが多いです。人間は、主にネズミに付着していたダニを媒介して感染するといわれています。また、症状は発熱や全身の発疹などがあります。
予防のためにも、ネズミを見かけたら近づかず、家屋内は清潔に保ちましょう。
皮膚糸状菌症
罹っている動物や保菌している動物との接触が人間へ感染する主な原因です。また、菌に汚染された用具などによっても感染する可能性があります。
症状は、皮膚の脱毛・紅斑・水泡など、外観にトラブルが起きます。死亡することはほどんどありませんが、場合によっては顔にも症状が現れるため、美容の観点では感染したくない病気といえるでしょう。
野生動物に触らないことや、害獣を見かけた際は掃除も行うのがよいでしょう。
クリプトスポリジウム症
人間は、感染動物の糞中に排泄されたクリプトスポリジウムが口に入ることで感染します。感染した場合の症状は、嘔吐・胃痛・下痢などです。
クリプトスポリジウムに対する有効な治療薬はないため、食前の手洗いを徹底するなどして、口に入らないようにするのが重要です。
獣害を防ぐための効果的な方法とは?
獣害を避けるには、まず野生動物の接触を避け、手洗いを徹底するのが重要です。また、害獣を寄せ付けないために以下の対策も効果があります。
- 食べ物になるものは動物の手が届かない場所へ保管する
- 野生動物が侵入できる穴を塞ぐ
- 害獣ネット・電気柵を活用する
- 害獣駆除グッズを活用する
- 野生動物の巣になりそうなものを撤去する
野生動物が狙うのは、家屋内に置いている食べ物だけではありません。そのため、畑で収穫せずに放置してある食べ物や、ごみとして捨てた食べ物も対策が必要です。生ごみであれば、鍵のついた一時的に保存できる倉庫やストッカーへ入れるのがよいでしょう。
ただし、野生動物は鳥獣保護管理法によって捕獲が制限されています。自治体の許可を得ずに勝手に捕獲した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられるため、注意が必要です。
捕獲以外の具体的な獣害を予防する方法はこちらで解説しているので、あわせて参考にしてください。
害獣の侵入を防止するには?方法や注意点について徹底解説
もし害獣予防策を行っても被害が減らない場合は、駆除のプロである業者へ相談しましょう。
害獣駆除業者であるハウスサポートでは、無料でお見積もりを実施しています。関西・愛知県エリアにお住まいの方は、お気軽にご相談ください。
害獣駆除業者の選び方も紹介しているため、こちらも参考にしてください。
獣害には人へ影響のある感染症もあるので予防を徹底しましょう
野生の鳥獣によって引き起こされる被害が獣害です。しかし、獣が直接関与しなくても人に影響を与える可能性があります。害獣は細菌・ウイルス・寄生虫などを保有している場合があるため、排泄物や唾液、空気感染によっても人間へうつるかもしれません。
そこで、まずは害獣対策を行い、野生動物を見かけてもむやみに触れないようにしましょう。もし家屋内に現れた場合は、感染症がうつるのを防ぐために掃除や消毒を行うのがよいでしょう。
害獣の侵入対策を行っても効果が低い場合は、駆除のプロである業者に依頼するのがおすすめです。
ハウスサポートでは無料で調査を行い、お客様の状況に合わせてお見積もりを作成いたします。まずは、お気軽にご相談ください。
執筆者プロフィール
島津春香
2018年酪農学園大学獣医学群卒。
卒業後は獣医師として約5年従事し、2023年3月にフリーライターへ転向。
当サイトでは害獣に関するお役立ち情報の執筆を担当。